モニター評価とは
モニター評価は、開発した試作機を障害のある方に使っていただき、有効性や適応や適合、 ユーザビリティや安全性などを評価していただくものです。FDA(Food and Drug Administration)で定義された医歯薬・医療機器の臨床試験の相に基づいて支援機器用に 変更された支援機器の実証試験(臨床的試験)の第2相に相当するものです。 第2相試験とは、「ある程度開発が進んだ段階においてパイロットテストとして行う実験で、 開発をさらに進めるための確認を主たる目的とします。ゴール設定は、①これまで開発してきた 機器の有効性の確認、②適応や適合、ユーザビリティをはじめ今後の開発にあたっての問題点の 抽出、開発の方向性の検討のための基礎データの収集」と定義されています。この試験では、 数名から10名程度を対象とし、短時間の試用を含むとされています。
表:実証実験の相
相 | 支援機器の実証実験 |
---|---|
第0相試験 | 現在使用中の機器の使用状況の観察。支援すべき身体機能の特性測定などを目的とした観察研究。 介入のない、または最小限の介入(現在使用中の機器の問題点を確認・探索する場合など)を伴う試験。 |
第1相試験 | 試作した支援機器の基本機能と安全性。 実験における計測系の信頼性に関する10名程度の健康成人による確認試験。 |
第2相試験 | 現在使用中の機器の使用状況の観察。支援すべき身体機能の特性測定などを目的とした観察研究。 介入のない、または最小限の介入(現在使用中の機器の問題点を確認・探索する場合など)を伴う試験。 |
第3相試験 | 試作した支援機器の基本機能と安全性。 実験における計測系の信頼性に関する10名程度の健康成人による確認試験。 |
なぜモニター評価が必要なのか?
モニター評価は、支援機器の有用性やユーザビリティ・適合・環境との整合性などを説明する ために実施するものです。製品の効果や有用性を示すことができれば、より質の高い製品を ユーザーの元に届けることができます。その重要な役割を担うのが開発過程にある「モニター 評価」です。 支援機器の開発方法は、一般的機器と大きく変わるところはありません。ニーズの把握→開発 コンセプトの確立→設計→試作→試用と評価→改良→量産化→販売からフォローアップの手順 はほぼ同じです。異なる点は障害のある方の「試用と試験」にあたり、これがモニター評価の中心的な役割を担います。具体的には、モニター評価では次の項目の情報やデータを取得します。
モニター評価でできること
- モニター評価ではユーザーから率直な感想を得ることができる
- ユーザーターゲットを明確にすることができる
- 機器の効果を示すことができる
- 実際の利用者における有効性や有用性の一部を明確にすることができる
- 介助者・周辺環境への有効性・影響を明らかにすることができる
- 日常生活における利用での問題点を明確にすることができる
- 開発機器の量産化や制度利用の計画が立てられる
モニター評価は、支援機器の有用性やユーザビリティ・適合・環境との整合性などを説明する ために実施するものです。製品の効果や有用性を示すことができれば、より質の高い製品を ユーザーの元に届けることができます。その重要な役割を担うのが開発過程にある「モニター 評価」です。 支援機器の開発方法は、一般的機器と大きく変わるところはありません。ニーズの把握→開発 コンセプトの確立→設計→試作→試用と評価→改良→量産化→販売からフォローアップの手順 はほぼ同じです。異なる点は障害のある方の「試用と試験」にあたり、これがモニター評価の中心的な役割を担います。具体的には、モニター評価では次の項目の情報やデータを取得します。
支援機器の開発
開発者が製品の試作を行い、健常者での機器の機能評価および安全性の評価を行う次の段階 において、モニター評価を依頼します。モニター評価を実施している機関や医療職の知り合いを 頼りに、評価の依頼を持ち込みます。まずはじめに、希望するモニター評価の期間とコスト、開発者 は機器の機能や、想定するユーザー、開発段階、安全性の評価結果などを説明し、想定する評価 項目を提示します。医療職は、それらの説明を受けて機器の機能や状況の意見交換を通じて 理解を深め、ユーザーや中間ユーザー像の明確化、リスクとベネフィット、評価項目とその優先 順位について検討します。
モニター評価の流れ
- モニター評価ではユーザーから率直な感想を得ることができる
- ユーザーターゲットを明確にすることができる
- 機器の効果を示すことができる
- 実際の利用者における有効性や有用性の一部を明確にすることができる
- 介助者・周辺環境への有効性・影響を明らかにすることができる
その後、評価対象の募集や評価シートの作成、評価対象者やそれに 関わる人との連絡調整、スケジュールや謝礼などの設定を行います。評価後は、評価結果を開発 者に戻し、改善策の提案や議論を行います。可能であれば、開発者が評価場面に立ち会うことが できるとよいでしょう。
評価後は、評価結果を開発者に戻し、改善策の提案や議論を行います。可能であれば、開発者が評価場面に立ち会うことができるとよいでしょう。
モニター評価を実施することができる段階であるか確認します。開発の段階によって、アドバイス する内容が異なります。上記の項目が明確でない場合、コンセプト評価のフェーズに戻り、確認し てもらうように指示しましょう。
試作が完成し、モニター評価の評価結果を開発者に返す場合は、評価者は機能を理解したうえで 「何をどのように修正・改良したら実用化に近づくか」についての観点からフィードバックを行いましょう。